会 長 挨 拶   

JE0KBP 井澤和秀

【令和2年度あいさつ】

皆さんこんにちは、本日はJARL糸魚川クラブの令和2年度末総会にご参加いただきありがとうございました。この冬の大雪や暴風で、当局のアンテナはワイヤーも八木もGPも折れたり切れたり曲がったりして大きな被害が出ました。皆さんのアンテナやご家庭の樹木等の損害に対してお見舞い申し上げます。

さて、新型コロナウイルスが猛威を奮った令和2年度。コロナの勢いはまだまだ止まりません。アマチュア無線界にも大きな影響がありました。各地のハムフェアはほとんど中止、DXペディションも軒並み中止、コンテストではマルチオペが激減し、移動運用の自粛でアクティビティが大きく低下するなど激変の一年でした。

私達のクラブでも納涼会の中止、小中学校の文化祭での公開運用の断念などリアルタイムな人とのふれあいによってアマチュア無線の楽しさを広げるイベントはなくなってしまいました。

しかし、東海ハムの集いはバーチャルハムフェアとして行われ、JAIAフェアはYou Tube配信という形で実施され新しい可能性が見いだせました。新潟コンテストはステイホームの影響で参加者が50%も増えたということです。人と接触しなくても楽しめるアマチュア無線はコロナに負けないと思います。

私が今年特に印象に残ったのは、電波行政に進展が多かったことです。

1つ目は、1.9や3.5MHzのバンド拡張。特に1.8MHz帯でSSBが許可になったこと、一括コードも変わり、メーカーが対象の技適無線機の技適番号を取り直すことによって変更申請不要でそのまま使えるようになりました。

2つ目は免許手続きの簡略化です。先程の1.8MHzが変更申請不要になったように、特にデジタルモードでびっくりするような大判ぶるまいがありました。これまではJT65やFT8など新しいモードにQRVしようとするとそのたびに信越総合通信局に変更申請をしなければなりませんでした。しかし、今年度の改革でリグにパソコンを繋ぐという申請さえしてあれば新しいモードに出ることができるようになったのです。

3つ目は、体験局の許可や社会貢献業務です。これまで免許を持っていない小中学生がアマチュア無線に出るのは国際宇宙ステーションとの交信しかありませんでした。しかし法令改正によりARISSだけから地上波の交信を体験することができるようになりました。また、アマチュア無線の内容にボランティア活動が追加される可能性が濃厚になってきました。「金銭上の利益のためでなく、もつぱら個人的な無線技術の興味によつて行う自己訓練、通信及び技術的研究の業務」という聞き慣れた文言に「および総務大臣が別に定める社会貢献の業務」が追加される見通しです。3つ目のことについては、参考資料をご覧ください。これは、まだパブリックコメントの段階で正式に決まっていません。

以上3点、こんなに電波行政がアマチュア無線に大サービスした年はないと思います。逆に言えばアマチュア無線に対する行政の期待が大きいことを意味しています。電波という資源を活用していきたいものです。

最後になりますが、本年度の総会では、会長、副会長、事務局長が事前に相談し、行事や役員など改革する点があります。皆さんからご理解いただきより良いクラブ、より良い活動になりますようお願いして最初の挨拶とします。 
     

【平成29年度あいさつ】

 JARL糸魚川クラブの皆様、お元気でしょうか。
 1月11,12日の想像を絶するような大雪から、3月は打って変わった温暖な日の連続。ものすごい勢いで雪が溶け、あっという間に桜が咲いているという極端な気候の年になりました。会員各局は、それぞれのコンディションにあわせて無線を楽しまれていることと思います。

 本年度は、ヒスイアワードを発行するというクラブ始まって以来の事業に取り組みました。幸いなことにCQ誌やJARLNEWSにも取り上げていただき、クラブ員の積極的なPRもあって、9月1日の受け付け開始から3月までたった7ヶ月で140人のアマチュア無線局からアワードの申請があり、発行しました。これには、糸魚川市定住促進課の「まちづくりパワーアップ事業」の補助金申請を行いました。何枚も書類を書き、条件や制限の厳しい中でようやく5万円の補助金をもらいました。

 また、総務省のスプリアス確認保証が本格実施となったため、クラブのリグを一新し技適の新しい無線機で新しい局免を取得しました。
 ハムの世界もJT65やFT8などの新しいモードが大流行し、「聞こえない信号でQSOする」という夢のようなことが起こっています。常に進歩的な私たちアマチュア無線家にとって、わくわくするような、ちょっと付いていけないような複雑な気持ちです。

 最後になりますが、一昨年のJH0EQA財さん、昨年のJA0VUO樋口さん、JA0EUR古木さん、などクラブを支えてくださったOM諸氏がサイレントキーになるという悲しい出来事が続いています。身体を大切にし、運動と栄養と休養に気をつけ、具合が悪かったら早めに医者にかかり、必要な治療をするなど健康第一で無線を楽しんでいただくことを願っています。

【平成28年度あいさつ】

 2016年12月22日10時20分頃糸魚川市の中心部で大規模火災が発生したことは大きな衝撃でした。必死の消火活動が続き、佐渡市を除く県内全ての消防本部から応援が駆けつけ、長野県や富山県からも消防車が駆けつけました。生コン組合のミキサー車による水の搬送、自衛隊高田駐屯地の155人も投入されました。しかし、最大瞬間風速27.2m/s、フェーン現象の乾燥した風は容赦なく火の手を増し、飛び火で火点が分散するという事態も発生しました。

 翌日16時30分の鎮火まで約30時間を要した激しい火災は、火元から海岸に向かっての147棟、約40,000平方メートルを焼損してしまいました。
 大好きだった本町通り、広小路などは焼け落ち、信じられない光景が広がりました。よく通ったお店もたくさん無くなってしまいました。幸いなことに、この火災による死者が一人も発生しなかったことは唯一ホッとする気持ちになりました。

 私たちJARL糸魚川クラブは赤十字無線奉仕団と協力して寒風吹きすさぶ中、市内スーパーマーケット前で募金活動を行いました。私は原信前にいましたが、たくさんの市民が「ご苦労さん」と1000円札を入れてくれました。午前10時から12時の2時間で30万円の浄財があつまりました。人の温かさに触れました。

 例年、アマチュア無線の話題を書いてきましたが、今年はそこまで考えが及ばない心持ちです。
 町の復興はこれからです。できることは協力し、力を合わせていきたいと思います。

【平成27年度あいさつ】

 JARL糸魚川クラブの皆様、昨年度はフィールドデーや納涼会、ハムフェア見学、忘年会、総会などの定例行事に加え、新規に取り組んだ小中学生対象のトランジスタラジオ製作講習会、受信環境クリーン月間記念局運用、広島土砂災害募金活動、北陸新幹線開業記念局運用等にも積極的にご参加、ご協力いただき、大変有難うございました。クラブ員各局のアクティビティの高さ、技術力の交流、無線を通じてお一人お一人の人柄に触れることがとても有意義だったと感じています。平成27年度もどうぞよろしくお願いいたします。

 さて、私事になりますが開局した時、2台、3台と新品リグを買いました。HFも6mも144も全くのゼロからの出発ですからこれは仕方がありません。その後、入門機では飽きたらず、フラッグシップ機等を中古で購入するようになりました。ヤフオクが流行し、巷にはまだ使えるリグがあふれています。無銭家ですから、コストパフォーマンスの良さだけを考え、二十年も新品リグを買うということがありませんでした。
そんな当局が、「ビビッ」ときたリグがFT-991です。昨年8月のハムフェアで電撃的にヤエスブースに試作機として展示されたのを見たのが最初です。コンパクトな筐体、HF〜430、アンテナチューナー内蔵、タッチパネルのカラー液晶、USBケーブル1本だけでPCと連動など魅力いっぱいです。十二月予約開始に即発注し発売を待ちました。約二ヶ月半待って三月になる頃シャックにやって来ました。数十万円から百万円を超えるリグがざらにある中で160K未満で手に入れることができたのもありがたかったです。

 かつては3S(Sensitivityセンシビリティ感度、Selectivityセレクティビリティ選択度、Stabilityスタビリィティ安定性)がリグに求められる性能だったそうですが、最近のリグにこれら3Sの差は殆ど感じられません。代わって求められるのは、年々急激に激化している環境ノイズ(エアコン、粗悪な電子機器、PLC、太陽光発電等)の中からいかに信号を浮かび上がらせるかです。この点に関しこのリグは従来からあったIFSHIFT、NB、NOTCH、オーディオピークフィルタ等に加えて2つのルーフィングフィルタ、DNR、DNF、DSPのWIDTH、CONTOURなど、これでもかというくらいの混信除去機能があります。ビート音や近接のQRMを取り除く方法がたくさんあるのです。基本的に受信音が聴きやすいのでまだいろんな機能を使いこなしていませんが、大変楽しみです。

 最近では新潟県知事の泉田裕彦氏がアマチュア無線でパイルをさばいている写真や記事が新聞やテレビを賑わしたり、NHKの人気番組「ブラタモリ」の五月三十日(土)放送回で、アマチュア無線技士の資格を持つタモリが北海道函館市を探訪。青函連絡船記念館「摩周丸」の無線通信室では縦ぶれ電鍵を使ってモールスのキーイングをするシーンが流れる模様だそうです。これからはアマチュア無線がオタクの趣味でなく、だんだんポピュラーになってくるかもしれませんね。

【平成26年度あいさつ】

 JARL糸魚川クラブの皆さん。あけましておめでとうございます。常日頃からクラブの行事に参加いただき、無線を共通の趣味としている各局が仲良く交流をしておられることに深く感謝いたします。

 昨年は、大行事であるJARL新潟県支部大会をホストクラブとして開催し大成功に導いていただきました。また、県支部が主催する新潟コンテストでも、糸魚川クラブは総合優勝や個人の上位入賞を果たし、県下のアマチュア局に糸魚川クラブのすばらしさを広めることができました。
 また、糸魚川市総合防災訓練では当クラブが全面的に協力し、無線による情報伝達が大きな役割を果たすことが実証されました。アマチュア無線による社会貢献が広く求められている情勢にマッチした意義ある活動であったと考えています。

 さて、昨今の無線会を振り返りますと、JARLの機構改革を語らないわけにはいきません。誰でも参加できた定期総会は定時社員総会という名で限定メンバーになり、アマチュア無線を一生の趣味にしようと高いお金を払って終身会員となった先輩の皆さんをライフメンバーという名ばかりの会員にしてしまいました。
TSSが主謀者とされる連盟のホームページの改ざんなど黒い噂も気になります。
 新スプリアス基準で古いリグや自作リグが使えなくなるなどというお上の規制から無線家を守るのがJARLの本当の役割であると私は考えます。
日本におけるアマチュア無線の健全な発展を図り、併せて、内外の無線科学、文化の向上と発展に寄与することを目的する素晴らしい団体はどうなってしまうのでしょうか。その推移を注意深く見ながら、キングオブホビーの自覚を一人一人のアマチュア無線家が誇り高く持っていかなければならないと私は思います。

 しかし、トップの組織のていたらくと反比例してアマチュア無線は健在です。コンテストの参加者数は増え続け、最高得点のレコードは新記録で次々と塗り替えられています。無線人口は長期低落傾向に歯止めが掛かり、カムバックの増加で上昇傾向になってきました。
各メーカーからは素晴らしいリグが次々と発売されています。
 インターネットや新技術で、アマチュア無線は多様でさらに奥の深いものになっていくでしょう。

 私たちの糸魚川クラブは、OMであるEQA財さん、PYA上村さん,WKA渡辺さんの復活、ニューカマーのQDO大平さん、HWP山崎さんの加入などで会員は増加しています。テクニカルリーダーであるCAB藤田さんやCYK加藤さんから学ぶことはつきませんし、事務局長のJJR細貝さんは頼りがいのある方です。毎週土曜日のオンエアミーティングは欠かすことなく続き十名を超すチェックインがあることも珍しくありません。
 今年も元気な糸魚川クラブとしてアマチュア無線をそれぞれの方法で楽しみ、交流しながら「金銭上の利益のためではなく、無線技術に対する個人的な興味により行う、自己訓練や通信、また技術的研究」を続けていきましょう。

【平成25年度あいさつ】

「会員の結束で大行事をやり遂げよう」

 猛暑が続いた夏から、ようやく過ごしやすい季節になりました。JARL糸魚川クラブの会員各局は、それぞれのコンディションにあわせて無線を楽しまれていることと思います。
 さて、9月23日に行われた役員会で、次の2点について協議をいたしましたのでご報告いたします。どちらも例年にない大きな行事です。
 1つめは、平成25年度のJARL新潟県支部大会糸魚川大会の件です。ご存じのようにJARL県支部大会は、新潟県内を持ち回りで開催しております。糸魚川クラブは、これまで昭和53年、平成2年、平成12年の3回ホストクラブをつとめています。3回目の12年度から12年が経過し4回目の順番が回ってきました。
新潟県内のアマチュア無線家が集結する大切な大会です。ホストクラブに配当される経費は、以前の半分ほどに削減される厳しい財政状況であり、100人を超える参加者の大きな大会を準備し運営していくのは大変ではありますが、当クラブではこれを会員各局の結束力でやりきっていきたいと思います。
クラブ員38名全員が、準備や運営に参加していただくことが不可欠になります。どうか、皆様のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。現時点では、次の日程です。

○平成25年7月20日(土)JARL新潟県支部クラブ代表者会、前夜祭
○平成25年7月21日(日)JARL新潟県支部大会 

 2つめは、全国受信環境クリーン月間PR特別局「8NφC」の運用です。長野県と新潟県の地域クラブが持ち回りで特別局を運用して全国のアマチュア局にサービスをします。
@ 当クラブの割り当て期間は、10月25日(木)〜10月31日(水)の1週間。
A 運用はHF〜VUの各周波数帯、オールモード(リグIC706MK2G他計2台は持ち回り、アンテナ、電源等は自前)
B 期間中の土日を利用して公開運用を行う。
C 土日以外は、各局の申し出によって運用を分担する。
D 運用終了後、QSLカードの発行、報告書の提出。
特別局の運用は、全国からパイルアップを受ける大変楽しいものであり、運用スキルの向上にもつながります。積極的に参加していただき糸魚川クラブの実力を大いにPRしましょう。

【平成23年度あいさつ】

JARL糸魚川クラブの皆さん,FBにハムライフをお楽しみいただいていることと拝察いたします。
アマチュア無線の最近の話題はやはりJARLの一般社団法人化ではないかと思います。今までは(公益)社団法人でしたが、法人の名に隠れて公益でない活動をする社団法人が問題となり、税制の優遇を受ける公益法人は厳しい審査が科せられることになりました。
 私の理解では、JARLはそのレベルでは公益性が認定できないので、一般社団法人として再スタートしたことになったのだと思います。
 1970年から会長を務めて来た原昌三氏もついに辞任しました。
 
 太陽活動が活発化し、DXに絶好のコンディションとなるソーラーサイクル24は今年から本格的に始まったようで、これから数年は10Wで海外と通信できることも多くなるでしょう。待ち遠しく楽しみですね。

我が国のアマチュア無線人口は現在45万局です。
最盛期の半分以下に減少しましたが、JARLコンテストの優勝得点は更新を繰り返していることから、奥の深い趣味はますます発展しているのではないかと感じています。

さて、わがJARL糸魚川クラブの会員数は37名と一昨年より5名増加しました。OMさんの復活、新人の加入で少しずつにぎやかになっていることは大変喜ばしいと思います。会員の皆さんのおかげと感謝しております。
 今年の年度末総会は、14名の参加で3年前の15名に次ぐ多くの方から集まっていただきました。
 23年度は、当クラブと赤十字無線奉仕団、糸西移動グループの3者で糸魚川市と災害応援協定を締結し、要請があれば私たちの趣味が社会に役立つ体制作りも始まりました。これに伴い24年度には非常通信訓練も行います。
 例年通り、製作講習会、移動運用、ハムフェア見学、忘年会、コンテストなど楽しい行事も企画しています。また、月一回のロールコールは忘れることが多いので、それなら出られる人が出ようと毎週土曜日の2100から145.32MHzでオンエアミーティングを行うことにしました。

アマチュア無線は一人でもできますが、集まって情報交換し、技術を学び合うことでより楽しくなっていくと思います。本年も、JARL糸魚川クラブに結集して無線を楽しみましょう。

《QSOパーティのシールが24年分たまりました。》

  

QSOパーティ@1989年〜2000年     QSOパーティA2001年〜2012年